「あら、お変わりなし! 元気だった?」
「久しぶりー 声聞けて嬉しいごど」
毎日電話をかけても、すぐ忘れてしまう私の母の言葉です。
弟夫婦と暮らす母は、四年前大病をし、入院中に認知症を発症しました。
教員生活38年の母は、とても几帳面な人でしたが
この数年間で少しずつ症状は進み
部屋の片付けが出来ない・・今日が何日か・・
朝何を食べたか・・今日誰が訪ねて来たかなど、
その日の出来事はすぐ忘れてしまいます。
それでも家族に支えられ弟夫婦が出勤して夕方帰宅するまで一人で家を守っています。
本当ならもっと症状が進んで何も出来ないかもしれないのに
今のところ自分の事は出来ているので感謝です。
週に何回か昼休みに訪ねるとしばらくぶりで会ったかのように
「あらー何だべー」と言って満面の笑みで迎えてくれます。
時間をみつけては食事に誘ったり、ショッピングに連れ出したり、2人でドライブに行ったり・・・
娘との思い出ぐらい覚えててよと言いたい位すっかり忘れられて空しさを感じた時、
友人から言われた一言。
「たとえすぐ忘れられても娘と一緒で楽しんでもらえたらそれで充分。
その分自分には沢山の思い出が残るよ」
その一言に支えられ実家通いを続けています。
母への思いは「元気でいてくれてありがとう」 。
自分を支えている夫・妻・両親・子供・彼氏・彼女・・・
そばにいて元気でいてくれる日常は
「感謝」というより「当たり前」かもしれませんが
言葉や態度で自分の思いを伝えることは大切なのではと思います。
k
[8回]
PR